自分の部屋に鍵を付けたいけれど、大掛かりな工事はしたくない。そんなニーズに応える「穴あけ不要」の鍵には、いくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。自分の部屋のドアの形状や、求めるセキュリティレベル、そして予算に合わせて最適なものを選ぶために、まずはその特徴を理解しておきましょう。最も手軽で人気が高いのが「ドアノブ交換タイプ」です。これは、現在付いている鍵のないドアノブを、鍵付きのドアノブに丸ごと交換する方法です。多くの室内ドアのドアノブは、プラスドライバー一本で簡単に取り外せるように作られています。同じ規格の製品を選べば、まるで元から付いていたかのように自然な仕上がりになります。メリットは、見た目がすっきりしており、日常的な使い勝手も良い点です。デメリットとしては、購入前にドアの厚みや、ラッチ(ドア側面の金具)のサイズなどを正確に測定する必要があることです。次に、より簡易的なのが「後付け補助錠タイプ」です。これにはさらにいくつかのバリエーションがあります。一つは、ドアとドア枠の間に金具を挟み込み、固定するタイプ。工具不要で取り付けられ、非常に手軽なのが魅力ですが、ドアを閉めた状態でしか施錠できないため、部屋の外から鍵をかける用途には向きません。もう一つは、ドアの室内側に両面テープで本体を貼り付け、ドア枠側に受け金具を固定するタイプです。これも穴あけは不要ですが、強力な両面テープを使用するため、剥がした際にドアの塗装を傷めてしまうリスクがゼロではない点に注意が必要です。これらの補助錠タイプは、ドアノブ交換に比べて安価で手軽な反面、防犯性という点ではやや劣ります。家族間のプライバシー確保が目的なのか、あるいは簡易的な防犯も考慮するのか。その目的を明確にすることが、自分にとって最適な「穴あけ不要」鍵を選ぶための鍵となります。
穴あけ不要鍵の種類とそれぞれのメリット・デメリット