門扉の鍵を長持ちさせる日常メンテ
玄関の鍵とは異なり、門扉の鍵は一年三百六十五日、雨風や砂埃、紫外線にさらされるという、非常に過酷な環境下で稼働しています。そのため、何のメンテナンスもせずに放置していると、劣化のスピードは室内で使われる鍵よりも格段に速く、突然の動作不良を引き起こす原因となります。しかし、日頃から少しだけ気にかけて手入れをしてあげるだけで、その寿命を大きく延ばし、いつでもスムーズな動作を保つことが可能です。門扉の鍵のメンテナンスで最も大切なのは、定期的な清掃です。まず、鍵穴に溜まった砂やホコリを、エアダスターなどを使って吹き飛ばしてあげましょう。細かいゴミが、鍵の回転を妨げる最大の敵です。次に、鍵本体、つまり錠前の表面やレバーの隙間などを、固く絞った濡れ雑巾で拭いて、付着した汚れを取り除きます。その後、乾いた布で水分をしっかりと拭き取ってください。清掃が終わったら、潤滑作業に移ります。ここで絶対に注意してほしいのが、使用する潤滑剤の種類です。一般的な油性のスプレー潤滑剤(CRC-556など)は、砂やホコリを吸着して粘土状に固めてしまい、かえって症状を悪化させるため、絶対に使用してはいけません。必ず、「鍵穴専用」と表記された、速乾性の高いパウダースプレータイプの製品を使用してください。これを鍵穴に軽くワンプッシュし、鍵を数回抜き差しして馴染ませるだけで十分です。この一連の作業を、季節の変わり目ごと、年に二回から四回程度行うのが理想です。ほんの数分の簡単な手入れが、いざという時のトラブルを防ぎ、高額な修理費用や交換費用を節約することに繋がるのです。大切な住まいの入り口を守る門扉の鍵を、少しだけ労ってあげましょう。